クロード・モネの世界に浸る!
メズム東京のアフタヌーンティー
クロード・モネの作品の世界観を表現した、メズム東京のアフタヌーンティー「パラソル」
五感を魅了しつつ、躍動する東京の今を伝えるホテル、『メズム東京、オートグラフ コレクション』では、名画をモチーフにしたアフタヌーンティー『アフタヌーン・エキシビジョン』が大評判。
ダリ、フェルメール、ダ・ヴィンチ、マネに続く第5弾は、印象派を代表するフランスの画家クロード・モネの代表作「散歩、日傘をさす女性(Woman with a Parasol)」の世界観を表現した『パラソル(Parasol)』。
「芸術家(アーティスト)のアトリエ」がコンセプトのバー&ラウンジ「ウィスク」では、名だたる巨匠の名画を、遊び心あるスイーツとこだわりのセイボリーやペアリングモクテルで表現した新感覚のアフタヌーンティーが人気を呈している。
『アフタヌーン・エキシビジョン』と称されるこの企画は、単に名画をモチーフにしているだけではなく、時代背景や画家の生涯も絡めた大掛かりなもの。まずは8種類のスイーツ&セイボリーは、年表を辿るように、順を追って楽しんでもらいたい。食べ進んでいくうちに心は、モネが活躍した19世紀後半〜20世紀初頭に。そして、「散歩、日傘をさす女性」をモチーフにしたメインのケーキとモクテルをいただくと、絵画に描かれているような、花咲く草原で風に吹かれているような気分になるだろう。
もし時間があれば、ざっくりとクロード・モネについて調べてから体験するとより感慨深いものとなる。
モネにゆかりのある土地と時代を巡る8種類のスイーツ&セイボリーを説明する
①《サントノーレ》 モネは1840年、パリ9区に生まれた。サントノーレはその年代にパリの菓子職人によって考案された。クッキー生地のミニシューは、ザクザクとした食感。キャラメルクリームとの相性もよく、フランスでは特別な場で提供されるお菓子。
②《ピュイダムール》少年時代から絵画に親しんだモネは、1845〜1858年の間はノルマンディー地方のル・アーヴルに移り住む。この“愛の泉”という意味を持つお菓子は、ノルマンディー地方で 18世紀に考案されたもの。クッキー生地の上には、アイスクリームと黄金色の飴細工が。ノルマンディー地方で造られるカルバドス(ブランデー)と、リンゴの果肉が加えられたアイスクリームは大人の味わい。トッピングの飴細工と共に、様々な口溶けが楽しめる。
③《サバラン》 パリの画塾で学んだ1859〜1870年代がモチーフのお菓子。サバランはこの頃、パリの菓子職人によって考案されたもの。ラム酒が染み込んだ生地はフワフワで、口の中で溶けていくよう。
④《スコーン(ベーコン風味)》 1870年、普仏戦争勃発。モネは兵役を逃れるためロンドンに渡る。イギリスが発祥のスコーンも、ここではベーコンや胡椒でビターな味わいに。セイボリーとして楽しめる一品。
⑤《ヴィクトリアサンドイッチケーキ》ロンドン滞在中は、モネは多くの画家や画商と交流を持つ。ヴィクトリアサンドイッチケーキは、19世紀、大英帝国を繁栄に導いたヴィクトリア女王の名を冠したイギリス定番のお菓子。スポンジケーキの間に自家製のラズベリージャムを挟んだ、シンプルさは新鮮。素材の持ち味が生かされている。
⑥《フィナンシェ・サレ(オリーブ風味)》 1874年、モネはパリ近郊で仲間たちと「第一回印象派展」を開催。フィナンシェはその時代にパリの菓子職人によって生み出されたもの。そしてこれはフランス語で塩を意味する “サレ”の通り、甘くないフィナンシェ。アクセントに添えられたオリーブが深い味わい。
⑦《ガレット》 1886年モネはブルターニュ沿岸にある島ベル=イル=アン=メールを制作旅行で訪れる。 ブルターニュ地方が発祥のガレットは、ソバ粉の生地で作られたお菓子。ここでは生地に玉ねぎやほうれん草などが包まれていて、セイボリーとして楽しめる。
⑧《ミルリトン》モネは1890〜1926年、ノルマンディー地方のジヴェルニーへ移住。ミルリトンは晩年を過ごしたノルマンディー地方の郷土菓子。フランス語で“騎兵の帽子”を意味するこのお菓子は、パイ生地の中にオレンジフラワーエッセンスを入れたペーストを包んだもの。オレンジの香りが爽やかで、モネが晩年に描いた「睡蓮」をイメージしてみたくなる一品。
モネの生涯に思いを馳せるペアリングドリンクには、どのスイーツ&セイボリーにもピッタリの、レモンのフレーバーティーを使った大人なモクテルはいかがだろうか?
モネの故郷フランスではフレーバーティーが主流。浮世絵など日本の文化にも興味を持っていたというモネに因んで、ここでは和のテイストを取り入れたモクテルに。レモンフレーバーの紅茶がベースのこのモクテルには、梅がアクセントとして使われている。
そして、一層人目を引くのは「散歩、日傘をさす女性」を表現したケーキ。
女性のスカートの部分は、フランスで愛されている「フレジェ」というイチゴのケーキ。クリームをまとった内部は、アーモンドスポンジの層と苺の果肉が入ったピスタチオクリーム、ピスタチオビスキュイの層からなる。ビスキュイ・ダマンド(アーモンドスポンジ)には、チェリーブラン デーのシロップが使われ大人な味わいに。日傘の部分はピスタチオクッキーでできており、ケーキのクリーム部分に乗せて、サクサクの食感を楽しむことも。
こちらのケーキとセットで楽しみたい一杯が、絵画の背景のように青い空や白い雲、差し込む陽光を表現したドリンク。雲は綿あめでできており、ブルーのソーダの中に入れると跡形もなく消える。さらにミルクゼリーやマスカットゼリーなどが爽やかさを倍増。様々な食感を楽しむことができ、ビジュアルと味で初夏の青空を思わせてくれる。
桜から新緑に移り変わるこれからの季節は、印象派の巨匠、クロード・モネの世界観に浸るにはもってこい。浜離宮恩賜庭園の自然と、ウォーターフロントの風景を堪能できるバー&ラウンジ「ウィスク」で五感を楽しませてくれる『アフタヌーン・エキシビジョン』をぜひ体験してほしい。
アフタヌーン・エキシビジョン『パラソル』
2022年3月1日(火)ー6月30日(木)の平日限定
14:00〜 / 15:00〜
メズム東京 16階 バー&ラウンジ「ウィスク」
5,350 円 (消費税・15%のサービス料込)
https://www.mesm.jp/restaurant/whisk.html
(2日前の22:00までの予約が必要)
text by 松田朝子