Hotel
三島由紀夫が愛した下田
2020年11月25日で三島由紀夫の没後50年となる。三島由紀夫へのオマージュとして記事を書きたい。旅をテーマにどこを取り上げようか考え、三島由紀夫が愛した伊豆下田にある下田東急ホテルを取材してきた。
ホテルのプール
下田東急ホテルは、1962年10月8日に開業した。三島由紀夫はその翌年から亡くなるまでの7年間、夏休暇に家族と1ヶ月間滞在していた。
1961年に伊豆急行が伊東駅から伊豆急下田駅まで開通して、下田の人気が高まっていた時期に
建設が始まり、一年後、伊豆半島初となる洋風ホテルとして下田東急ホテルが誕生した。
ホテルからの眺望
ホテル外観。全112室
下田の町からクルマで約10分、急なS字カーブを登ると瀟洒なリゾートホテルが見えてくる。エントランスを入ると、目線の先に伊豆下田の海が美しく広がっていた。海抜は56mあるので、海を一望するのには絶好のロケーションだ。
オーシャンビューデラックスツイン530号室
マウンテンビュースタンダードツイン503号室。毎年この2部屋を予約していた
2017年に建物はそのままで、大規模な改装工事をしたが、三島由紀夫の家族が宿泊していた海側の眺めのいい部屋と書斎として使用していた山側のこじんまりとした部屋はレイアウトは若干変わっているが、雰囲気は当時のままだ。
レストラン
下田東急ホテルは開業当時に地方のホテルとしては珍しく、本格的なフレンチをフルコースで食べられるレストランがあり、洒落たラグジュアリーリゾートホテルとして話題となっていた。当時は隠れ家的なホテルでもあり、有名人、文化人などが訪れ、その顔ぶれは非常に華やかだったという。
三島由紀夫はその華やかな顔ぶれにも劣らぬ、お洒落な人だった。滞在中はホテル内のプールや、ホテルから徒歩圏内の鍋田浜ビーチで、ボディビルで鍛えた肉体に最新のビキニを着けて、ゴールドのネックレスをコーディネートして、ひときわ目立っていたそうだ。また、下田へは奥様の運転でアメ車、ムスタングやシボレーコルベアで訪れていたのだ。
下田東急ホテルに宿泊して、三島由紀夫の愛した下田の町を散策してみるのはいかがだろうか。
下田にある「日新堂菓子店」のマドレーヌを、三島由紀夫が日本一と絶賛した。そのお店のマダム、横山郁代さんにも話を伺ったので、SWEETSコーナーで三島由紀夫についてもう少し書く予定だ。
下田東急ホテル
静岡県下田市5-12-1
0558-22-2411